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「銀歯」はもう扱わない。これまで金属を使わない治療(メタルフリー治療)に深く携わってきた歯科医師が語る、保険診療の限界と10年後の歯を守る「精密自費診療」の真実

その治療は、10年後、20年後のご自身の歯を見据えた選択でしょうか?

歯科医院を受診した際、「保険でお願いします」と当たり前のように伝えていませんか?日本の保険制度は、誰もが安価に最低限の治療を受けられる素晴らしい制度です。

しかし、歯科医療の現場に立つプロとして、そしてこれまで金属を使わない治療(メタルフリー治療)に深く携わってきた歯科医師として、私にはどうしても譲れない一線があります。

当院では、銀歯(金銀パラジウム合金)を用いた治療を一切行っていません。

「なぜ保険の銀歯がダメなの?」「白い歯にしたいだけなら保険のキャドカム冠(CAD/CAM冠)でいいのでは?」と思われるかもしれません。しかし、そこには「歯を長持ちさせる」という目的において、無視できない決定的なリスクが潜んでいます。今回は、保険診療という「国のルール」の限界と、当院が自費での精密治療にこだわる理由を詳しくお伝えします。

1. 保険診療の「限界」と「隠されたリスク」を正しく知る

国のルールで決まっている「材料」と「工程」の制約

保険診療は決められたルールの中で行う必要があるため、患者様お一人おひとりの噛み合わせやリスクに合わせた『素材選び』や『精度を極限まで追求する時間』には限界があるのも事実です。

特に銀歯(パラジウム合金)は、戦後の物資不足の時代から続く古い規格の材料です。現代の高度な歯科医療において、この材料を使い続けることには多くの弊害が伴います。

なぜ銀歯の下は「高い確率で」虫歯になっているのか?

私は当院を開業して9年目になりますが、古い銀歯を外した際、その下で虫歯が再発しているケースを日々の診療で数多く目の当たりにしてきました。

これには明確な理由があります。銀歯は時間の経過とともに口の中で酸化し、変形(劣化)します。また、歯と銀歯をくっつけているのは「セメント」という接着剤ですが、これが唾液によって徐々に溶け出していきます。

その結果、銀歯と歯の間に目に見えないミクロン単位の「隙間」が生じ、そこから細菌が侵入します。これを「二次カリエス(二次虫歯)」と呼びますが、銀歯があることで発見が遅れ、気づいたときには神経まで虫歯が達していることも少なくありません。

「保持形態」のために健康な歯を大きく削らなければならないジレンマ

銀歯は歯と強力に「接着」するわけではありません。あくまで「パズルのピース」のようにはめ込み、摩擦力や形によって外れないように維持します。これを「保持形態」と言いますが、この形を作るために、虫歯ではない健康な歯の部分までも大きく削り取る必要があるのです。

一度削った歯は二度と元には戻りません。歯を長持ちさせたいと言いながら、治療のたびに歯を大きく失っていく。これが保険診療の抱える大きな矛盾です。

2. 歯茎の下に銀歯を入れてはいけない理由

本来、歯茎と被せ物の境界線(マージン)は、歯茎よりも上の位置にあることが理想的です。なぜなら、歯茎の中に異物(銀歯)が入ってしまうと、細菌が溜まりやすくなり、歯周病を悪化させたり、歯肉の炎症を引き起こしたりするからです。

しかし、保険診療のルールでは、虫歯が深い場合などでも無理やり銀歯を歯茎の中に設定せざるを得ないケースがあります。無理に押し込まれた金属は、周囲の組織を刺激し続け、結果として歯を支える骨を溶かす原因にもなり得ます。当院が「銀歯をやらない」と決めているのは、こうした医学的リスクから患者様の歯を守るためなのです。

3. 当院が提供する「精密自費診療」——マイクロスコープによる診査・診断

当院では、初診時に必ずと言っていいほど「マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)」を使用します。

初診時の可視化で、お口の現状を「共有」する

マイクロスコープは、肉眼の最大20倍まで視野を拡大できるツールです。初診時には、患者様ご自身のお口の中の状態を動画や写真で撮影し、一緒に確認していただきます。「銀歯の周りに隙間ができている」「詰め物が欠けている」といった現状を、ご自身の目で見て納得していただくことが、治療の第一歩だと考えているからです。

精密な診査診断ができるからこそ、無駄に削りすぎず、必要な処置だけを的確に行うことが可能になります。

適合を高めるための「マイクロ」と「肉眼」の使い分け

治療の工程において、被せ物を入れるためのスペース(クリアランス)の確保は非常に重要です。

マイクロスコープで細部を極限まで突き詰める一方で、形成(削り)の仕上げや最終確認では、あえて肉眼を使って「お口全体をバランスよく見渡す」ことも大切にしています。ミクロン単位の適合性と、噛み合わせ全体の調和。この両立こそが、長持ちする治療の秘訣です。

4. 【徹底比較】保険診療(銀歯)と自費診療(メタルフリー素材)の違い

比較項目 保険の銀歯 精密メタルフリー(自費)
接着の精度 接着ではなく「合着」。隙間ができやすい 歯と一体化する「強力な接着」。細菌を入れない
削る量 保持のために大きく削る必要がある 虫歯部分だけを最小限に削る(低侵襲)
二次虫歯のリスク 高い傾向がある 非常に低い(適合が良く、劣化しにくい)
審美性 金属色が目立つ。金属アレルギーのリスク 天然歯のような白さ。身体に優しい
再発率 数年で再治療が必要になるケースが多い メンテナンス次第でより長く長持ちする

なぜ「保険の白い歯(CAD/CAM冠)」を勧めないのか?

最近では「保険でも白い歯にできる」と聞くことがあるかもしれません。しかし、CAD/CAM冠はプラスチックが含まれた素材のため、日々の噛み合わせによってすり減りや割れが生じるリスクがあります。特に強い力がかかる奥歯に使用する場合は、より慎重な経過観察が必要です。

特に、元々銀歯が入っていたような部位は、強い力がかかる場所であることがほとんどです。そこに強度の弱い保険の白い歯を入れると、割れたり、すり減ったりして、結局は歯の寿命を縮めることになります。「とりあえず白ければいい」という安易な選択は、数年後の大きな後悔に繋がります。

5. 虫歯・根管治療で「後悔しない」ために

当院では、虫歯治療や根管治療においても、自費診療を基本としています。それは、**「ラバーダム」「マイクロスコープ」**を使用し、唾液による細菌感染を徹底的に防いだ状態で治療を行うためです。

成功率を大きく変える「ラバーダム防湿」

特に根管治療において、唾液が根の中に一滴でも入れば、再発のリスクは跳ね上がります。ラバーダムというゴムのマスクを装着し、清潔な環境下で治療を行うことは、精密治療において世界標準の必須事項です。残念ながら、日本の保険診療のコスト構造では、この工程に十分な時間をかけることは極めて困難です。

一生、自分の歯でおいしく食事をしていただくために

「当院では銀歯はやっていません。保険をご希望であれば、他院で受けていただくことになります」

初診の際、このようにハッキリとお伝えするのは、患者様に嘘をつきたくないからです。どこの歯科医院で受けても「保険のルール」は同じです。しかし、私たちが提供したいのは、一時的に削って詰めるだけの処置ではなく、『10年後、20年後も、自分の歯で美味しく食事ができるお口の環境作り』です。

銀歯を繰り返し入れ直し、その度に歯を失っていく負のループを、私たちの代で断ち切りたい。

もし、あなたが「もう二度と再治療を繰り返したくない」「本当に価値のある治療を受けたい」と願うなら、ぜひ当院へご相談ください。これまで金属を使わない治療(メタルフリー治療)に深く携わってきた歯科医師として、あなたの健康な未来を全力でサポートいたします。

この記事の監修者

都筑マイクロスコープ歯科 院長

UCHIDA YOSHITAKA

「歯の神経を抜くこと」は、患者様のその後の人生を左右する大きな決断です。

だからこそ、私は安易に抜髄や抜歯を選択せず、マイクロスコープを用いた精密治療で「一本でも多くの歯を救う」ことに全力を注いでいます。

かつて治療で怖い思いをした方や、諦めかけている方も、ぜひ一度ご相談ください。友人や家族に対するように、あなたの歯の未来を一緒に考え、守っていくことをお約束します。

【プロフィール】

神奈川歯科大学卒業。日本歯内療法学会、日本顕微鏡歯科学会所属。

「石井歯内療法セミナー」や「顕微鏡治療ハンズオンコース」など、高度な技術研鑽を積み、再発の少ない精密根管治療を提供している。

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