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【症例】銀歯が外れた後の放置により保存不可能となった奥歯の再建

初診時の状態と主訴

患者様は「以前に銀歯が外れたところを放置していたら、歯茎が腫れて痛みが出てきた」とのことで来院されました。 肉眼でも大きな欠損が確認できましたが、詳細を把握するためマイクロスコープによる精密検査を行いました。

マイクロスコープによる精密診断

マイクロスコープで拡大して確認したところ、以下の状態が判明しました。

・残存歯質の消失: 虫歯が歯肉の下深くまで進行しており、被せ物を支えるための健全な歯がほぼ残っていません。

・分岐部の露出: 歯の根が分かれている「又(分岐部)」の部分まで病変が及び、細菌感染が骨にまで達しています。

・歯肉の迷入: 激しい炎症により、欠損部を埋めるように歯茎が盛り上がっている状態でした。

患者様にもこの画像を一緒に見ていただき、現状を共有しました。

治療方針の決定

技術的に根管治療を行うことは可能ですが、以下の理由から「抜歯」が最善であるとお伝えしました。

1.予後の悪さ: 歯の土台(フェルール)が確保できないため、被せ物をしてもすぐに外れる、あるいは根が割れるリスクが極めて高い。

2.抜歯後の再建: 無理に延命して周囲の骨をさらに溶かしてしまうより、早期に抜歯して骨を再建した方が、インプラントの成功率が高まる。

患者様も現状を納得され、抜歯およびインプラントによる再建を希望されました。

実施した処置:抜歯と造骨(ソケットプリザベーション)

抜歯と同時に、将来のインプラント埋入を見据えた「骨の再建」を行いました。

・抜歯と清掃: 感染源となっていた歯を抜き、穴の中に溜まっていた膿や不良肉芽を徹底的に掻き出しました。

・造骨材の補填: 綺麗になった抜歯窩に造骨材を詰め、縫合。これにより、抜歯後の骨の吸収(痩せ)を最小限に抑えます。

今後の経過

現在は骨がしっかりと出来上がるのを待っている状態です。数ヶ月後、CT撮影にて骨の回復を確認した上で、インプラント埋入の手術へと進む予定です。

院長からのアドバイス

「痛みがないから」と放置してしまうと、今回のように歯の根元まで破壊が進み、最終的に抜歯を避けられなくなります。 被せ物が外れた際は、できるだけ早めの受診が、歯を残せるかどうかの分かれ道となります。

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