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ドクターブログ
その痛み、本当に抜歯が必要?マイクロスコープが見抜く「レントゲンに写らないヒビ」
「痛みが引かないなら、もう抜くしかありませんね」 歯科医院でそう告げられ、ショックを受けたことはありませんか?
しかし、その抜歯の判断、少し待ってください。
もしかすると、その痛みは肉眼やレントゲンでは決して見つけることのできない「非常に細かなヒビ(破折・クラック)」が原因かもしれません。
当院では、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を駆使し、肉眼の最大20倍という高倍率であなたの歯の深部を徹底的に診査します。「なぜ痛いのか」を可視化し、患者様ご自身に納得していただく。それが、後悔しない治療への第一歩です。
なぜ「原因不明の痛み」で歯を抜かれてしまうのか?
多くの患者様が「レントゲンを撮れば、歯の異常はすべてわかる」と考えています。しかし、実はレントゲンにも大きな死角が存在します。
肉眼とレントゲンの限界:見えないヒビは「存在しない」ことにされる
レントゲンは硬い組織の影を映し出すものですが、歯のヒビ(破折線)が髪の毛よりも細い場合や、撮影角度に対して平行に走っている場合、画像には一切写りません。 また、歯科医師が肉眼で見る視界には限界があります。暗く狭いお口の中、さらにその奥にある根管(歯の神経の通り道)の底に潜む小さなヒビは、肉眼では絶対に見捉えることができません。 「画像に異常がない、でも患者さんは痛がっている」 この状況が続くと、従来の診断では「原因不明だが、おそらく根の先に問題があるか、割れているのだろう」という推測のもと、消去法で抜歯が提案されてしまうのです。
保険診療の枠組みでは「原因不明なら抜歯」が選ばれやすい現実
日本の保険診療は、限られた時間と設備の中で最善を尽くす制度です。しかし、マイクロスコープのような高額な精密機器を用いた長時間の診断は、保険診療の枠組みには含まれていないことがほとんどです。 そのため、肉眼で見える範囲の治療で結果が出なければ、「これ以上の処置は不可能」と判断せざるを得ません。設備がない環境では、抜歯以外の選択肢を提示すること自体が物理的に困難なのです。
安易な抜歯が招く「負の連鎖」を食い止める
一度抜いてしまった天然歯は、どんなに最新の医療技術をもってしても二度と再生させることはできません。
一度抜いた歯は二度と戻らない。天然歯に勝る代用物はない
インプラントや入れ歯、ブリッジは、失った機能を補う素晴らしい手段ですが、天然歯が持つ「歯根膜(しこんまく)」というクッション機能までは再現できません。歯根膜は、噛む力を感知し、脳に刺激を伝え、周囲の骨を守る重要な役割を担っています。 安易に抜歯を選択することは、お口全体のバランスを崩す「負の連鎖」の始まりになるリスクを孕んでいます。
マイクロスコープで「健康な歯を削らない・抜かない」治療の真髄
当院がマイクロスコープを導入している最大の理由は、**「健康な歯をなるべく削らず、なるべく抜かない」**ためです。 20倍に拡大された視界であれば、むし歯だけをピンポイントで除去し、健康な部分を最大限に残すことができます。また、抜歯と診断されたケースでも、マイクロスコープで確認すると「ヒビはあるが、まだ修復可能な範囲」であると判明することも少なくありません。
【セルフチェック】これって歯が割れてる?破折・クラックの兆候
もし、以下のような症状がある場合は、歯にヒビが入っている「破折」や「クラック」の可能性があります。
特定のものを噛んだ時だけ「ズキッ」と走る痛み
常に痛いわけではなく、硬いものや特定の角度で噛んだ瞬間にだけ鋭い痛みが走る場合、噛む力によってヒビが一時的に開き、神経を刺激している可能性があります。これは「マイクロクラック」の典型的な初期症状です。
長年続いている、レントゲンに写らない「根元の違和感」
「なんとなく重苦しい」「歯茎が定期的に腫れる」といった症状があり、レントゲンで「異常なし」と言われ続けている場合、歯の根の中に目に見えない垂直的なヒビが入っているケースが多々あります。
歯ぎしり・食いしばりの癖や、過去の大きな銀歯がある
神経を失った歯(失活歯)は、枯れ木のように脆くなっています。そこに歯ぎしりや食いしばりによる強い負荷がかかると、金属の詰め物が「楔(くさび)」の役割を果たしてしまい、内側から歯を割ってしまうことがあるのです。
当院のマイクロスコープ診療:動画で見る「納得の治療」
当院では、単に私たちが「診る」だけでなく、患者様に「知っていただく」ことを最優先にしています。
大画面テレビで共有する「自分の歯の真実」:写真と動画で見る安心感
当院の診察ユニットには、レントゲン画像とマイクロスコープの映像を同時に映し出せるモニターと大画面テレビを完備しています。 マイクロスコープで捉えたリアルタイムの映像や、静止画、動画をその場でお見せします。 「ここが白く線が入っているのがわかりますか?」 「この部分から細菌が入り込んでいるんです」 言葉だけの説明ではなく、ご自身の目で現状を確認していただくことで、診断への疑念を払拭します。
マイクロで見れば「痛みの正体」が100%明確になる
マイクロスコープによる診査を行えば、「痛みの原因がわからず不安」という状態はなくなります。 たとえ結果が「破折が深く、残すことができない」という厳しいものであっても、原因がはっきり特定されることで、「なぜこの歯を抜かなければならないのか」という理由が心から納得できるようになります。この「納得感」こそが、次の治療(インプラントやブリッジなど)へ前向きに進むために最も必要なプロセスなのです。
もし「抜歯」という結論になっても、自分の目で見て納得できる大切さ
私たちは、どんな歯でも無理に残すべきだとは考えていません。無理に残すことで周囲の骨を溶かし、次の治療に悪影響を及ぼすこともあるからです。 大事なのは「先生が言ったから抜く」のではなく、「自分でも割れているのを見たから、納得して抜く」ことです。ご自身の口腔内に対する深い理解が、その後のケアの質をも高めてくれます。
【Q&A】精密診断の費用や流れについて
Q. マイクロで見つかったヒビは、どう治療するのですか?
A. ヒビの深さや場所によります。表面的なものであれば、再根管治療(根の掃除)を行い、接着技術を用いて補強することで残せる場合があります。しかし、根の奥深くまで完全に割れている場合は、細菌感染を止めることができないため、抜歯が最善の選択となることもあります。
Q. 診断費用はいくらかかりますか?(初診時のカウンセリングについて)
A. 診査の内容や治療方針によって変動するため、一概に「いくら」と申し上げることはできません。しかし、当院では初診時に現在の状況を詳しくお伺いし、費用についても事前にしっかりとお話しさせていただきます。 例えば、精密診断後に当院でインプラント等の治療計画を立てられる場合には診断料を調整するなど、患者様一人ひとりの状況に合わせて柔軟にご相談に乗っております。
Q. 診断後、インプラントを検討する場合の対応は?
A. 当院では保存治療だけでなく、抜歯が必要となった後のインプラント治療も専門的に行っております。マイクロスコープで保存が不可能だと診断された場合、その場で抜歯後のシミュレーションを行い、スムーズに次のステップへ進むことが可能です。
まとめ:後悔しないために「精密な眼」で確認を
「抜歯」と言われた時の絶望感は、計り知れないものがあります。しかし、その決断を下す前に、一度だけ**「精密な眼(マイクロスコープ)」**で、あなたの歯の真実を確認してみませんか?
原因を曖昧にしたまま歯を失うのと、20倍の世界で原因を特定し、納得した上で最善の選択をするのとでは、その後の人生における満足度が大きく変わります。
当院では、マイクロスコープによる精密診断を通じて、あなたの「大切な歯」を守る可能性を最後まで追求します。原因不明の痛みや、他院での抜歯宣告にお悩みの方は、まずは一度ご相談ください。大画面のモニターを一緒に見ながら、あなたの歯に今何が起きているのか、ゆっくりとお話ししましょう。
この記事の監修者

都筑マイクロスコープ歯科 院長
内田 宜孝
UCHIDA YOSHITAKA
「歯の神経を抜くこと」は、患者様のその後の人生を左右する大きな決断です。だからこそ、私は安易に抜髄や抜歯を選択せず、マイクロスコープを用いた精密治療で「一本でも多くの歯を救う」ことに全力を注いでいます。 かつて治療で怖い思いをした方や、諦めかけている方も、ぜひ一度ご相談ください。友人や家族に対するように、あなたの歯の未来を一緒に考え、守っていくことをお約束します。
【プロフィール】
神奈川歯科大学卒業。日本歯内療法学会、日本顕微鏡歯科学会所属。 「石井歯内療法セミナー」や「顕微鏡治療ハンズオンコース」など、高度な技術研鑽を積み、再発の少ない精密根管治療を提供している。
