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なぜラバーダムなしの根管治療は再発しやすいのか?都筑マイクロスコープ歯科が「無菌的処置」にこだわる理由

こんにちは 都筑マイクロスコープ歯科院長内田です。

「せっかく根管治療(神経の治療)をしたのに、しばらくしてまた痛くなった」「何度も同じ歯の治療を繰り返している」……。このようなお悩みで当院にご相談に来られる方は少なくありません。

実は、根管治療の成功率を大きく左右するのは、歯科医師の腕だけでなく、「治療中の環境」にあります。その鍵を握るのが「ラバーダム」という一枚のゴムのシートです。今回は、都筑マイクロスコープ歯科がなぜラバーダムを使用した無菌的処置にこれほどまでにこだわるのか、その医学的根拠と、患者様が安心して治療を受けていただくための当院の取り組みについて詳しく解説します。

 

根管治療の成功率を左右する「ラバーダム」とは?

唾液という「細菌の海」から歯を守るゴムのシート

ラバーダム(ラバーダム防湿)とは、治療する歯だけを露出させ、それ以外の部分を薄いゴムのシートで覆い隠す処置のことです。 お口の中は、数千億個もの細菌が住んでいる「細菌の海」のような場所です。根管治療は、歯の内部にある細菌を取り除き、中を綺麗にする作業ですが、治療中に一滴でも唾液が入り込んでしまえば、そこから再び細菌が侵入し、再感染を引き起こします。ラバーダムは、この唾液の侵入を物理的に100%近く遮断するために欠かせないバリアなのです。

日本の歯科医院での普及率が低い理由と当院の考え方

これほど重要なラバーダムですが、実は日本の保険診療における普及率は極めて低い(数%程度)と言われています。その理由は、準備に手間と時間がかかることや、材料費が経営を圧迫するといった背景があります。 しかし、都筑マイクロスコープ歯科では、ラバーダムを「オプション」ではなく、精密な治療を行うための「必須条件」と考えています。再発して再治療を繰り返せば、それだけ歯の寿命は短くなります。私たちは、患者様の歯を一生守るために、妥協のない治療環境を整えることを最優先しています。

 

なぜ根管治療にラバーダムが「必須」と言い切れるのか?

唾液一滴に含まれる数億個の細菌が再感染を引き起こす

根管治療の目的は、歯の根の中にある神経の管を「無菌化」することです。しかし、ラバーダムをせずに治療を行うと、呼吸や舌の動きによって、常に唾液が根管内に流れ込むリスクがあります。 たとえマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)でどれだけ精密に汚れを取り除いたとしても、仕上げの段階で細菌が入り込んでしまえば、数年後に根の先に膿が溜まる「根尖性周囲炎」を再発させる原因となります。一度再治療になった歯の成功率は、初回よりも確実に下がります。「最初から無菌状態で治療すること」こそが、歯を残すための最大の近道なのです。

マイクロスコープで見える「精密な世界」を汚さないために

当院ではすべての根管治療においてマイクロスコープを使用します。肉眼の最大20倍まで視野を拡大することで、複雑に枝分かれした神経の管まで捉えることができます。 この極めて精密な作業において、ラバーダムは「視野の安定」にも貢献します。頬の粘膜や舌が術野に入り込むのを防ぎ、鏡(ミラー)が呼気で曇ることもないため、常にクリアな状態で治療に集中できるのです。

強力な洗浄液を安全に使用し、粘膜を保護する役割

根管内を徹底的に殺菌するためには、次亜塩素酸ナトリウムなどの強力な洗浄液を使用する必要があります。ラバーダムを装着していれば、これらの薬剤がお口の粘膜に触れたり、誤って飲み込んだりする心配がありません。安全かつ効果的に高い殺菌力を発揮させるためにも、ラバーダムによる隔離は不可欠です。

 

ダイレクトボンディングの「接着力」はラバーダムで決まる?

湿気は歯科用レジンの最大の敵

ラバーダムが必要なのは根管治療だけではありません。当院が力を入れている「ダイレクトボンディング(高精度な詰め物治療)」においても、その重要性は変わりません。 ダイレクトボンディングで使用する歯科用レジン(複合プラスチック)は、歯と化学的に「接着」させることで一体化します。しかし、この接着剤は非常に繊細で、わずかな湿気(水分)があるだけで接着力が著しく低下してしまいます。

歯肉溝浸出液を完全にブロックし、詰め物の脱離を防ぐ

お口の中には唾液だけでなく、歯茎の隙間から染み出る「歯肉溝浸出液(しにくこうしんしゅつえき)」という水分もあります。 ラバーダムを使用することで、歯の周囲を乾燥した状態(防湿状態)に保つことができ、レジンの接着性能を最大限に引き出すことが可能です。これにより、詰め物が外れたり、境目から二次虫歯になったりするリスクを最小限に抑え、長期間にわたって美しい状態を維持することができます。

1日で精密な白い歯を再現するための徹底した防湿

ダイレクトボンディングのメリットは、その日のうちに治療が完了し、自分の歯のように自然な白さを再現できる点にあります。しかし、その「美しさ」と「耐久性」を支えているのは、目に見えないレベルでの「乾燥の徹底」なのです。

 

都筑マイクロスコープ歯科での治療の流れと費用感

精密根管治療・ダイレクトボンディングの具体的なステップ

当院では、治療を始める前に必ず丁寧なカウンセリングを行います。「ラバーダムというゴムのシートをかけていきますが、以前の病院で使ったことはありますか?」とお尋ねし、初めての方にはその目的をしっかり説明します。 装着後は、「鼻で息ができていますか?」「痛いところはありませんか?」と必ず確認を行い、患者様の不安を取り除いてから処置に移ります。

自費診療だからこそ実現できる「妥協のない無菌環境」

当院の精密治療は自費診療(保険外診療)となります。それは、ラバーダムをはじめ、使い捨ての器具、高性能なMTAセメント、そして1時間以上の十分な治療時間を確保するためです。 「1回の治療に時間をかけ、再発リスクを徹底的に抑える」という方針は、将来的に歯を失ってインプラントや入れ歯になるリスクを考えれば、非常に価値のある投資であると考えています。

治療期間と費用の目安

・精密根管治療: 132,000円(税込)〜

・ダイレクトボンディング: 22,000円〜66,000円(税込)

・歯髄温存療法(MTAセメント使用): 66,000円(税込)

※症状により回数や費用は異なりますが、根管治療の場合は通常2〜3回程度の通院で完了します。

 

ラバーダムを使用した治療にデメリットはあるのか?

鼻呼吸が苦しい方への配慮と当院の対策

「口が塞がれて苦しくないですか?」というご質問をいただくことがあります。ラバーダム装着中は基本的にお口で呼吸ができなくなりますが、当院では装着前に必ず「鼻呼吸ができるか」を確認します。 もし鼻詰まりなどで苦しい場合は、シートに空気穴を開けたり、休憩を挟んだりしながら対応いたしますのでご安心ください。

装着時の違和感を最小限に抑えるテクニック

ラバーダムを固定するクランプ(金具)が歯肉に当たって痛みを感じないよう、必要に応じて表面麻酔や局所麻酔を併用します。また、治療中に「どうしてもお口をゆすぎたい」「起き上がりたい」と感じたときは、すぐに手を挙げて知らせていただけるよう、常にスタッフが寄り添ってお声掛けを徹底しています。

 

まとめ:一生ものの歯を残すために、あなたはどちらの治療を選びますか?

歯科治療において「何を詰めるか」「誰が削るか」も大切ですが、それ以上に「どのような環境で治療するか」が結果を左右します。 ラバーダムは、患者様にとっては少し窮屈に感じる処置かもしれません。しかし、それは「再感染を絶対に防ぎたい」「この歯を二度と削らせたくない」という私たちの決意の表れでもあります。

都筑マイクロスコープ歯科では、マイクロスコープとラバーダムを駆使した「世界基準の精密治療」を提供しています。「神経を抜かなければならないと言われた」「根の治療を繰り返している」とお悩みの方は、ぜひ一度、当院の無菌的処置による精密治療をご相談ください。あなたの歯の寿命を延ばすために、私たちは一切の妥協をいたしません。

 

この記事の監修者

都筑マイクロスコープ歯科 院長

UCHIDA YOSHITAKA

「歯の神経を抜くこと」は、患者様のその後の人生を左右する大きな決断です。だからこそ、私は安易に抜髄や抜歯を選択せず、マイクロスコープを用いた精密治療で「一本でも多くの歯を救う」ことに全力を注いでいます。 かつて治療で怖い思いをした方や、諦めかけている方も、ぜひ一度ご相談ください。友人や家族に対するように、あなたの歯の未来を一緒に考え、守っていくことをお約束します。

【プロフィール】

神奈川歯科大学卒業。日本歯内療法学会、日本顕微鏡歯科学会所属。 「石井歯内療法セミナー」や「顕微鏡治療ハンズオンコース」など、高度な技術研鑽を積み、再発の少ない精密根管治療を提供している。

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